2017/08/21 17:05

「なにを選べばいいのかわからない」


そんな方のために包丁の選び方をご紹介します。


「新生活を始める時に包丁がほしい」
「お祝い事で包丁をプレゼントしたい」
「今持っている包丁よりもいいものが欲しい」

そんなとき、包丁はどれを選べば良いのか分からないと思う人は多いと思います。

ひとくちに包丁といっても、色々な種類の包丁がありますし、どれを選べばいいのか迷いますよね。

そこで、包丁は切る食材によって適した種類があることを知ってください。種類を知ることで、ご自分にとって正しい包丁を選ぶことができますし、お料理がどんどん楽しくなり、上達していくことにつながるのです。

まずは、最初に選ぶべき万能型の便利な包丁を選び、それに慣れていったら、ご自分のスタイルにあった専門の包丁を選んでいくという方法がよいでしょう。

それではひとつひとつ見ていきましょう。


三徳

なんでもこなす万能包丁。


三徳包丁は、一般家庭でもっとも使われている包丁です。
三つの徳、つまり「肉」「魚」「野菜」など幅広い用途で使用できることを意味しています。
どんな食材にでも使用でき、刃渡りが長くないので、初心者でも安心して使えます。
お料理が上達していくと、刃渡りが長いものや形状が違うものが欲しくなりますが、はじめの1本がほしい、1本で全て事足りてほしい、という時には三徳を選べば間違いありません。

三徳は肉や野菜など、特定の食材に特化しているのではなく、全ての食材に対して平均的に優れているので、まずは三徳から始めて、ご自分のスタイルが見つかったあとに、専門の包丁を選ぶという流れがいいでしょう。


藍包丁・三徳はこちら


牛刀

大きめの万能包丁として。


明治時代に西洋から牛肉を食べる文化が入ってきた時に、一緒に入ってきた包丁です。
その名の通り、牛肉を切るために作られた包丁で、海外で広く使われている包丁です。

形状が三徳と似ているとお気づきになった方もいるでしょう。
海外では牛肉以外の全ての調理を牛刀1本で行うので、大きめの三徳のようなものです。
言い換えれば「海外版三徳」ということもできる包丁です。

三徳よりも刃渡りが長いのは、もともと肉の塊を切るのが目的としているためです。肉の塊に刃を入れやすい(切り込みやすい)ように細身にできているのです。

牛刀は用途の広さから一般家庭からプロの料理人まで幅広く使われています。
三徳包丁で物足りなくなり牛刀を選ぶ方も多いですが、スリムな見た目に惹かれて最初から牛刀を購入される方もいらっしゃいます。
大きめの三徳として使えるので、最初の一本として選んでもお使いいただくことができます。

なお、藍包丁の牛刀には21cmと24cmの2タイプありますが、24cmは慣れていないと大きすぎると感じるでしょう。
最初の1本を選ぶのであれば21cmをおすすめします。


藍包丁・牛刀21cmはこちら



ペティナイフ

小さめの万能包丁として。


ペティナイフは「Petit」、日本語で言う「プチ」と呼ばれているぐらい小さな包丁です。
形状はご覧の通り、三徳よりも刃渡りが短く、牛刀にようにスリムなボディをしています。

ペティは果物ナイフと言われることもあり、りんごの皮を剥いたり、フルーツの切り分けに便利な形をしています。
北米では大きな肉を食べる文化によりペティはあまり使用されないようですが、フランス料理ではペティナイフで全ての調理を行う方も多いのだそう。小回りがきくサイズ感なので、細かい装飾を施すのにも向いており、見た目の美しさを重視するフランス料理には最適なのです。

日本でも三徳よりペティのほうが便利という根強いファンがいるほどペティは便利な包丁で、まさに「小さめの三徳」と呼べるでしょう。

また、そのサイズ感と軽さから持ち運びにも便利なので、アウトドアやキャンプの道具として選ばれる方も多いようです。

藍包丁・ペティはこちら


薄刃(うすば)

野菜の皮むきのスペシャリスト。


薄刃包丁は野菜カットのスペシャリストです。
ひとめ見ると、中華包丁のように見えるのですが、実は全く違う用途です。

薄刃包丁とは、大根の皮を桂剥き(かつらむき)するときに便利なように、刃が薄くできています。

なぜ野菜のカットに特化した包丁があるか不思議に思われるかもしれませんね。

実は主婦でもプロの料理人でも、もっとも多くカットする食材は肉でも魚でもなく「野菜」だと言われています。
つまり、野菜カットはもっとも時短効果が高く、お料理のクオリティーに直結するのです。

三徳などの万能包丁を手に購入し、使い慣れてきた頃にご自分のお料理の方向性が見えてくると思いますが、
そのときに「肉」でもなく「魚」でもなく、自分は「野菜」を極めたいとお感じになられたら、
この種類の包丁をお選びいただくのがよいでしょう。

なお、キャベツの千切りなどのカットもできますが、かぼちゃなどの硬い野菜のカットには薄刃だと刃が書ける恐れがありますので、三徳などをお使いいただくのがよいでしょう。


藍包丁・薄刃はこちら


魚は経験者向け。


食材が魚となると、包丁の専門性がぐっと高くなり、包丁を使い慣れている方向けになっていきます。

伝統的に魚を食してきた日本ならではの和包丁の代表格、それが出刃(でば)包丁と柳刃(やなぎば)包丁です。


出刃(でば)

魚をさばくための包丁。


ご覧の通り、まず魚をまるごと買ってきたらいくつかの塊に切り分けなければいけません。

出刃包丁は、ズバッと頭を切り落としたり、背開きや骨の処理をするので、刃元が太く丈夫に作られています。

お料理好きのかたや漁師さんは、小さい魚であれば、出刃1本でお刺身まで作る方もいらっしゃいます。



柳刃(やなぎば)

刺身をつくるための包丁。


出刃で魚をさばいた後は、切り身(=お刺身)を作りますが、その時に使うのが柳刃包丁です。

お寿司屋さんや和食の板前さんが鮮やかに使っている、あの刃渡りが長い包丁です。

これまでの三徳や牛刀が「押して切る」のに対して、柳刃包丁は食材を一気に「引いて切る」のが特徴です。

そうすることで、身崩れせずに、美しく、おいしそうなお刺身ができるのです。

藍包丁・柳刃24cm(右)はこちら



また、これまで三徳や牛刀などは刃の両側が尖っている「両刃」という形で利き手を選びませんが、出刃も柳刃も刃が片方にしかついていない「片刃」ですので、右利き用と左利き用があるのを覚えておいてください。

片刃は、食材にグッと切り込みやすいのが特徴です。また、高価な刃を使っており、錆びやすいのも特徴です。プロの方やお料理好きの方が選ぶ包丁と言えるでしょう。



さて、いかがでしたでしょうか。

ご覧いただいた通り、まずはオールラウンドな万能包丁から選び、そこから肉、野菜、魚に絞って次の1本を選ぶのがよいでしょう。


より詳しく知りたいかたは以下の記事も参考にしてみてください。

「2018年度みなさんの1本」


もしご質問やご不明点、自分にあった包丁を選んで欲しいということであれば、 shop@editjapan.com までご連絡ください。