2017/12/18 00:09

みなさん、ミスターカブという方をご存知でしょうか?

テレビ東京「YOUは何しに日本へ?」に密着取材されたことで一躍有名になったアメリカ人です。




本名はネイサン・コネリー。
アメリカのアニメ制作会社で働いています。
 
休暇で日本を訪れ、自身が大好きなカブ(本田製の50ccバイク)
に乗って日本を旅行した様子がテレビに撮影されました。

「ミスターカブ」は旅の途中で知り合った日本人から
付けてもらったニックネームで、いまや彼の代名詞となっています。

彼のように好きなことに没頭する休暇の過ごし方はもちろん、
彼自身の優しく謙虚なキャラクターが、日本のみなさんを虜にしたのでしょうね。


さて、なぜミスターカブの話をしているかというと、彼が弊社製品の制作現場を訪問してくれたのです。

今回はその時(2017年6月)のことを書こうと思います。



そもそも、彼と私は以前から知り合いでして、
弊社製品である「藍包丁」の製品リーフレットのイラストを手掛けてもらっていました。



「藍包丁」は職人コラボレーションというコンセプトにより、
大阪の包丁職人さんと、徳島の藍染職人さんがタッグを組んで作られた製品です。

日本のものづくり文化をリスペクトしているミスターカブが、
ひとつの製品で複数の産地を活性化する「藍包丁」のコンセプトに共感してくれたことがきっかけでした。

そんな経緯もあり、趣味である一眼レフで実際に制作現場を撮影したいという話になったのです。
また、彼のお兄さんがお料理好きということで、できたてほやほやの藍包丁を現地で1本買いたいとのこと。


そういうわけで、藍包丁の刃を担当されている山脇刃物製作所さんを一緒に訪問してきました。







こちらは作業場。
昔ながらのレトロな雰囲気、そしてピリリと張り詰めた緊張感もあります。
彼はこの独特の空気感が気に入ったらしく、たくさんの写真をとっていました。







そういえば、撮影中のミスターカブは一切しゃべらないんです。
作業場はもっとも集中力を要する真剣勝負の場であると。
アニメ制作も包丁制作も、同じクリエイターとしてお互い通ずるものがあるのでしょうね。
彼の生真面目な性格がよくあらわれたシーンとして、いまでも印象的に覚えています。



そのときに彼が撮影した写真がこちら。
てしごとに対する尊敬のまなざしが感じられる写真たちです。










こうして包丁が完成した後、
せっかくお兄さんにプレゼントするんだから名入れをしてもらおう、ということになりました。





お兄さんの名前はパトリック。
英字だとレーザー印字になってしまうので、カタカナにして彫ってもらうことにしました
(通常、タガネ彫りは漢字のみなのですが特別対応です)。





完成! 
写真では少し見えづらいですが、「パトリック」がきれいに彫られています。





こうして、ミスターカブの包丁屋見学はおわりました。
彼の穏やかなキャラクターと、アーチストの真剣さを同時に見れた旅となりました。


さて、本編は撮影されていたのですが、テレビで放送されるかどうかはわかりません。
また、放送日がいつなのかも現時点ではわからない状態です。

ぜひ「YOUは何しに日本へ」をチェックしてみてください。
「藍包丁」の制作現場が映るかもしれません。


そして何より、日本や手仕事文化を敬愛してくれているミスターカブに感謝を伝えたいですね。
日本のすぐれた手仕事文化が、このやって心ある人に理解していただけることが、私のやりがいです。
ミスターカブのように、「藍包丁」も多くの人に愛していただける製品に育ってほしいと願っています。



職人さんとミスターカブ






ミスターカブが購入した 藍包丁・牛刀21cm


*掲載されている写真はネイサンコネリー氏のコピーライトです。