2017/05/15 00:28
藍包丁とは
包丁と藍染めのコラボレーション製品。
大阪の職人が作る刃に、徳島で藍染めした柄を搭載した包丁です。
(PERFECT DAYS掲載写真)
藍包丁の種類について
藍包丁には、こぶりで使いやすいペティナイフ、家庭でもっとも使われている三徳包丁、大きめな万能包丁である牛刀、きれいに刺身を消える柳刃(やなぎば)まで揃っています。
刃の種類も、さびにくいステンレス系から、切れ味の良いハガネ系まで揃え、装飾があるもの・ないものと選ぶ楽しさがあります。
包丁の選び方を詳しく知りたい方→こちらの記事
(写真は左から、三徳包丁、牛刀、柳刃包丁)
藍染めグラデーション
包丁の柄(え=持ち手部分)と鞘(さや=包丁ケース)が木でできています。
この木の部分を藍染めしています。
藍染めといえば布、というイメージ強いと思いますが、徳島の職人さんにより「木の藍染め」が実現しています。
そして包丁の中心がもっとも濃く、両端に向かって淡くなっていくグラデーションとなっています。
藍染めの機能性について。
藍包丁の特徴である藍染めですが、実はビジュアルよりも機能性のために採用したものでした。
包丁は水場で使うのものですので、雑菌が繁殖しやすい環境にあり、
それをなんとか解決できないかと考えた末に、たどり着いたのが藍染めでした。
藍染めは、抗菌・消臭・防虫効果があるとされ、古来より日本人が日常生活に用いてきたものです。
包丁を衛生的に保つための、もっとも日本的な方法といえるかもしれません。
さらに突き詰めた衛生性。
日本の包丁(和包丁)の多くはステンレスの一体成型ではなく、刃と柄の2体構造になっています。刃を柄に差し込むわけですが、メンテナンスを怠ると柄の中に水が侵入してしまいます。
そうすると、刃がサビてしまい、柄が腐っていまいます。包丁の寿命が短くなるのはもちろんのこと、柄が割れやすくなって危ないですし、なによりも不衛生です。
ですので、藍染めをする柄の木材までこだわることにしました。たどりついたのが不朽性(ふきゅうせい、腐りづらさを表すレベル)がトップクラスであるヒバでした。

ヒバとは、ヒノキと同じ系統の木材です。ヒノキ風呂を思い出していただければわかるとおもいますが、あれだけ水場で使用されていても痛みません。そのヒノキよりも腐りづらさのランクが高いのがヒバという木材です。
そのヒバに藍染めをすることで、藍包丁の衛生性をさらに高いものしようと考えました。

(藍染めのビフォー&アフター。包丁はペティナイフです)


藍包丁ができるまで。
もともと伝統的な包丁を販売していた弊社が、
新しいコンセプトの包丁を作ろうと考えたのには理由があります。
和包丁をもっと衛生的なものにしたいと思っていたこと、
そしてなにか新しい価値を生み出していくことで、ものづくり業界や職人さんたちに刺激を与えたかったからです。
時代や文化に左右されない価値にするため、
「機能性」と「ひと」を軸にした製品開発をすることにしました。
道具であれば、デザインよりも「機能性」。
機械ではなく「ひと」が関わること。
人間ならではの自然発生的で、ある意味では民芸的なものが、
大量生産・大量消費につかれきった私たちの心に響くと考えました。
そこで声をかけたのがこの職人さんたちでした。
職人さんについて
まず刃は、大阪の山脇刃物製作所さんにお願いしました。
大阪の堺は600年の歴史があり、日本最大の包丁産地である職人さんにお願いすることで、
品質と切れ味という包丁にもっとも重要なスペックをクリアしたいと考えました。
次に藍染めです。
藍染めは徳島県の舞工房さんという藍染めのプロにお願いしています。
舞工房さんは藍染めだけなく木工や彫刻などもなさっている、20人からなる職人集団です。
徳島といえば藍染めで有名ですが、もともとは仏壇や高級家具などの木工芸が盛んな地域でした。
ですから「木を藍染めする」という特殊技術を確立できたのも、徳島県という土地ならではなのです。
この大阪と徳島の職人さんが生み出したのが「藍包丁」です。
職人さんが一同に会し、アイデアを出し合いながら、それぞれの技術を持ち寄り、新しい価値を生み出す。
ひとつの製品で複数の産地にお金がおちる仕組みにもなりますし、高度な技術のかけあわせは海外での模倣品対策にもなります。
本来出会うことのなかった職人さんたちが生み出す可能性。
藍包丁を通して、職人コラボレーションの価値がみなさんに届けば幸いです。