2020/05/18 22:23
こんにちは、エディットジャパンの坂元と申します。
このサイトで販売している藍包丁(あいぼうちょう)は包丁と藍染めのコラボレーション製品で、
大阪・堺の包丁職人と徳島の藍染め職人が各々の技術を集結してつくっている包丁です。
私は日本の伝統技術はデザインだけで表面的な差別化をするというよりは、
本来の素晴らしい技術同士がコラボレーションしてかけあわさることで
「新しい価値」を生み出せると考えています。

本製品は「藍による衛生機能」「藍染めグラデーション」という機能性とビジュアルを両立した製品となりました。
このように、刃物と藍染というまったく別の技術、でも元々が素晴らしい技術をかけあわあえることにより、
まったくあたらしいプロダクトが出来上がる面白さが、職人コラボレーションにはあるのです。
藍包丁がヒルナンデスやモノマガジンなどのメディア取材があってからというもの、
みなさまに知っていただく機会が増え、プレゼントとして選んでいただく方が増えました。
そこで、今回は藍包丁のギフト対応サービスについてご紹介していきたいと思います。
包丁をプレゼントするのは大丈夫?
なによりもまず「包丁をプレゼントしたら相手は怖がらないかな...?」 と不安な方もいるのではないでしょうか。
実際私がイベント等でお店に立っていると、お客様からそのような質問を受けることがあります。
そんなとき私がいつもお話ししているのは「包丁は縁起のよい贈り物」だということです。
戦争がなくなった江戸時代、日本刀の職人さんたちが廃刀令により刀を作る必要がなくなり、
収入がなくなってしまうのを恐れて家庭用の刃物を作り始めたのが包丁誕生のルーツとなっています。
つまり包丁のご先祖様は武士の刀なのですが、
歴史の教科書や大河ドラマの1シーンを思い出してみてください。
朝廷に何かを献上したり、武功を上げた侍へのご褒美には必ず刀が贈られていませんでしたか。
刃物はお祝いの席・節目の席にいつも重要な役割を担ってきた逸品だったのです。
刃物は「悪縁を絶つ」という意味もあり、奉納時に頻繁に登場する「お祝いの品」でした。
(藍包丁の刃を作っている鍛冶屋さんは、大昔に神社に依頼され製作した奉納用の刀剣をまだ大事に保管しているほどです)
つまり、贈り物として包丁をプレゼントするのは歴史的にみても大きな問題はありませんのでご安心いただければと思います。

さて、包丁をプレゼントしても大丈夫!と安心していただいたところで、
弊社のギフトサービスについてご紹介させていただきます。
その① 名入れ
まず、プレゼントにぴったりなのが「包丁の刃に名前を入れる」ことです。
これにより完璧なパーソナライズギフトが出来上がり、相手の方にも必ず喜んでいただけるでしょう。

それを誰よりも強く実感した私自身のエピソードをお話しします。
藍包丁を発売して直後の2017年、イギリスの男性客から1本欲しいと連絡をもらいました。
いまよりずっと認知されていない時期でしたので、遠く異国の地からからわざわざ連絡をもらえたことがとても嬉しく、
この男性客になんとか喜んでもらおうと、私はプラスアルファのサービスを考えました。
当時はまだ名入れがサービスとして確立できていなかったのですが、
職人さんに頼み込んで、特別に彼の名前を手彫りしてもらうことにしました。

彼の名前は「マイケル」だったのですが、そのまま名前をカタカナで入れても芸がないなと。
そこで、彼がサッカー好きだと知り、ニュアンスの近い「舞蹴」という漢字を彫ってあげることにしました。
遠く離れたイギリスで「舞蹴さん」は大喜びしてくれ、こちらも大変嬉しい気持ちにさせていただいた思い出があります。
このような経験があり、「名入れ」はお相手だけではなく自分自身もほっこりした気持ちにしてくれる
素晴らしいものだと気がつき、本格的にサービスとして開始することにしたのです。
ぜひあなたの想いを包丁に託していただけたら幸いです。
*レーザー印字もありますので、伝えたい文章やメッセージ(20文字まで)を入れることもできます。

その② ギフトラッピング
次にご紹介したいのが、王道のギフトラッピングです。
弊社でずっと採用していた和紙が生産中止となってしまい、最近では老舗和紙を仕入れることにしたのですが、
手前味噌?で申し訳ないのですが、この和紙がなかなか素晴らしいのです。
都内の高級ギフトショップで使われており、ここのギフトラッピングに感動してどこの和紙屋か調べ、
高知県の老舗の和紙屋さんが作られていることを突き止め、藍包丁に合うものをセレクトしました。
ひとめで品質の高さを実感できるものですので、プレゼント用としてご満足いただけるものとなっています。

以前は藍染めを想起させる深い青の紙をつかっていましたが、
現在は白ベースで美しいテクスチャーが施されたものを採用しています。

その③ 御縁玉サービス
ギフトラッピングをご注文いただいた方には、オプションとして「御縁玉サービス」を行なっています。
これは5円玉を包丁にくくりつけて「御縁がきれませんように」という願いを込めるものです。

この由来には諸説あるのですが、江戸時代に包丁屋の主人が、
やはりギフトとして包丁を贈ってよいか悩んでいたお客さん相手に始めたサービスだと言われています。
私たち現代人も江戸時代の人も同じ心配をしていたのが面白いところですが、
逆に言うと、刃物が奉納されたり祝い事に使われていたとしても、
それは朝廷や大名という身分のひとたちの風習であって、庶民は全然知らなかった!ということなのかもしれませんね。
さて、実際にこのオプションを利用されるのは、ギフトラッピングを注文する方のうち3分の1ぐらいでしょうか。
多いか少ないかは分かりませんが、御縁玉の存在により包丁を贈る不安を解消していただけるのであれば、
私としては今後も無償で続けていきたいと思います。
藍包丁のギフトサービス、いかがだったでしょうか。
職人コラボレーションで日本の伝統技術をかけあわせ、
ひとつの製品で複数の産地に利益を生む取り組みでもある本製品。
ひとつの製品でふたつの職人技を感じていただけることや、
プレゼントをお渡しする際につい語りたくなるストーリーがあることなど、
ギフトとしてもふさわしくありたいと考えてきました。
ぜひ大切な方へのプレゼントにご活用いただければ幸いです。
今回ご紹介したサービス
